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eyes to me~ 私を見て
第30章 さよなら、愛しい獣
「美名?」
真理が向かいの部屋のドアを開けて顔を出した。
ビクリとして振り向くと、真理は美名に見惚れてポカンと口を開けている。
「……?真理君?」
掌を目の前でヒラヒラすると、真理はハッと我に返り、頬を赤くして笑う。
「いや……すっげえ可愛くて、びっくらこいた」
「あ、ありがとう」
「男物のスウェットも可愛かったけどな……
う――ん……俺さ、夢があるんだけど」
真理は真剣な目をして腕を組む。
「な、なに?」
「ほら、アレだよアレ!男のワイシャツ一枚だけ裸にスッポリ着るの!
……あれ、やってくれよ!」
真理は美名に拝む仕草をした。
「な……何よそれっ!恥ずかしいからやだ!」
「いいじゃんか!減らねーだろ?」
「そういう問題じゃなくて!」
「俺も美名のコスプレリクに答えるから!だから、なっ?ねっ?いいだろ?」
「何が、だからで、何がいいだろ、なのよ――!エッチ!」
言い合っていたら、いつの間にか目の前のドアが開いていて、綾波の鋭い瞳が睨むようにこちらを見つめていた。