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第31章 騎士の反撃

｢あ――ハイハイ。良かったわねえ！お邪魔したわね｣

　志村は、三広の隣の補助席から移動すると、眠る由清の頭をそっと撫でてニンマリ笑った。

｢ウフフ……昨夜は楽しかったわあ……久々のピチピチの若者……オホホ｣

　美名は眠くなり、舟を漕いでいたら真理に手を握られた。

｢寄っ掛かれよ｣
｢うん……｣

　逞しい腕に頭を預け、流れる景色をボンヤリと見ていたら、バスは、いつの間にかニッコウキスゲの高原の中を走っていた。
　黄色い鮮やかな花達は陽を浴びて金色に輝きを放つ。
　翔大と一緒に見た景色に、胸がキュンと痛んだ。

｢スゲーな……こんなの初めて見たぜ｣
｢う……ん……｣

　真理が頭を優しく撫でていて、美名は、心地よくてカクン、と眠ってしまった。