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eyes to me~ 私を見て
第31章 騎士の反撃
バスは総合病院の駐車場で停車した。
「さて、翔大君の所に行くけど……誰か……」
志村が皆に声を掛けるが、由清は起きないし、真理は眠る美名をうっとりと見つめて、桃子と三広はヘッドフォンを半分こして音楽を聴いてはキャッキャと楽しそうだ。
やれやれ、と肩をすくめると、バスから降りて翔大の居る病室に向かった。
「翔大く――ん」
四人部屋の入り口から声を掛けると、帰り支度をしていた翔大が振り向いた。
「あら、今日退院なのね……おめでとう!」
翔大は、殴られた痣が目元に残っている顔で穏やかに笑った。
「おめでとう、なんですかね……」
「そうよ?怒りの大魔神と化した綾波君にあれだけ殴られたのに、大した怪我が無かったのは運が良いとしか言い様がないわよ~!」
翔大は皮肉っぽい笑いを浮かべる。
(あいつも……本気なんだな。本気で美名を……
だが、俺も本気で美名を欲しい……)
美名に怖がられて、バンドを去る羽目になりながら、翔大は、このままで終わってたまるかと闘志を密かに燃やしていた。