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第31章 騎士の反撃

｢皆に荷物を持つの手伝って貰おうと思って呼んだのよ……翔大君もいかが？何が好きかしら？｣

　志村は平静を装いいつもの調子で話しかけた。
　翔大は美名の姿を見て目を見開いた。
　そして、美名が真理に寄り添っているのが分かると唇を結ぶ。
　桃子が翔大の元へ走りよる。

｢翔大さん！もう大丈夫なの？｣

　翔大はニッコリと笑う。
　美名は翔大をの姿を認めると一瞬身体を強張らせたが、真理に肩を抱き寄せられると、真理を上目遣いで見つめている。
　真理も美名を見つめて――

　翔大と真理の間にビリっと小さな閃光が走った。

｢翔大……｣
｢やあ……真理……美名｣

　美名は、名前を呼ばれて明らかにビクリと身体を震わせて真理に身体を寄せた。