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eyes to me~ 私を見て
第32章 新しい恋と、忘れられない恋と
「はあ……ダメだ俺は……」
舞い上がって、何をしてもそういう方向に妄想が働いてテンパる。
真理は仰向けになり、思わず呟いた。
「綾波とか……翔大なら……もっとスマートなんだろうな」
口に出すと、モヤモヤが広がりそうになり、打ち消す為に両手で頬をバチンと叩いた。
「ああ――っ奴等の事は関係ねーし!いや、関係無くはないか……」
『お前には渡さない』
翔大の静かに燃える瞳が脳裏に蘇り、ゾクリとする。
翔大とjunkをやって二年、色々な事があった。彼は普段は大人しくて温厚に見えるが、これと決めた事は必ずやる強い芯を持つ男だ。
引くところは引きつつ、自分の絶対的な要求は必ず通す。
しかもそのやり方が露骨でなく、交渉が巧みでしかも嫌味がない。
常日頃から敵に回したくないと密かに思っていたが……
「思いきり敵になっちまったな……」