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eyes to me~ 私を見て
第32章 新しい恋と、忘れられない恋と
美名を手放す事は、思っていた以上にキツかった。
真理の手が美名を抱いているのを見て、身体中を引き裂かれる様な感覚に囚われた。
荷物を業者に送らせるつもりだったが、美名の姿を一目見たくてそっと人形と共に持っていった。
もし鉢合わせたら、決心など脆く崩れて抱き締めてしまったかも知れない。
しかし、美名は俺のせいで深く傷ついている。
今は近付いてはいけない。
どうせなら俺がとことん悪者になって、憎んだ方が美名の回復は早いかも知れない。
美名は、過去に男につけこまれて弄ばれた経験を実はずっと引き摺っていて、それがコンプレックスになっている。
俺の事も、それと同様に捉えてしまったら美名は救われない。