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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky
「……?」
車が止まった事に気付いて振り返ると、綾波が身を乗り出して来て、思わず目を閉じた。
呼吸が僅かに頭上を掠め、額にヒヤッとする物が触れた。
「ひゃっ……」
綾波の首が目の前にあった。
彼の掌が、美名の額に触れている。
「熱はないが……大丈夫か?」
カアッと頬が熱くなる。
「さ、触らないで!」
つい大きな声が出てしまう。
「……き、今日は……有名な雑誌の取材だから……緊張してるだけです」
綾波は何かを言いかけたが呑み込む様に黙った。
運転席に戻りハンドルに手を掛け、外を見ている。
ミラーに鋭い瞳が映ると、美名の目はそこへ吸い寄せらてしまう。
すると、目が合ってしまい、慌てて顔を背けた。