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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky
「――遅れて申し訳ありません!編集部の新人記事担当の堺 雅也(さかい まさや)と申します――!」
ドアがガチャリと開いて、三十代前半位の優しい顔立ちで青いシャツにサスペンダー姿の男性が元気に叫びながらあたふたと入って来たかと思うと派手にすっ転んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
由清と志村が頭からこけて悶絶している堺を起こしに行く。
堺の登場でフロアーの変な緊迫した空気が幾分か和らぎ、美名はホッとする。
だが、真理が見たことも無い険しい顔で震える拳を握りしめているのを見て不安になった。
「真理君……」
「…………くそっ!」
真理は壁に思いきり拳を叩き付けると、廊下へ出て行ってしまった。
「ま、待って真理君っ」
美名は後を追う。