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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky
ーー俺が身も心も奪われてしまったように、美名は多くの男を惑わせ狂わせる。
真理も、やがて正気を失って行くのかもしれない。
その事が、美名自身を傷つけてしまう結果になり、悪くすれば音楽活動にも影響を及ぼすかもしれない……
綾波は苦々しく思った。
(……だから、男とバンドを組ませるのは嫌だったんだ……)
フロアーの一角では、ライトを浴びて翔大がポーズを決めていた。
サングラスの長髪の男と、小柄な女の子がその様子を見ている。
綾波は二人に近付くと、優雅にお辞儀をして名刺を渡した。
座っていた彼らも立ち上がり、頭を下げる。
長髪の男は、庄森 聡泰(しょうもり さとやす)と名乗り、女の子は北岡 聖恵(きたおか きよえ)と言った。
二人とも、大室のスカウトらしい。
庄森がドラムスで聖恵がベース。
綾波は、男二人に女一人という構成が、プリキーと同じだという事が引っ掛かっていた。
(……大室は、売れる為には手段を選ばない所がある……
何か、嫌な予感がする……)