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eyes to me~ 私を見て
第33章 新生princess&junky
痛みを耐える様な苦い笑顔に、胸が締め付けられる。
(……真理君はいつも私を笑わせてくれた。
私は暖かい腕の中で慰められて甘えていたけれど、綾波さんを忘れる事が出来なかった……
優しい真理君に寄りかかってばかりで、真理君の気持ちを、考えてなかった……
私は、ずっと傷つけていた……)
「ま……真理君……っ」
「ストップ。謝るなよ……俺が悪いんだ……
俺が、出来もしない事を……出来るなんて思い上がってたから……」
真理はドアに手を掛けると絞り出すように言った。
「……暫く……距離を置かせてくれ……
でないと……美名を滅茶苦茶にしそうだから……」
「真理くん――」
「……先に戻ってる」
バタン、と乾いた音を立ててドアが閉まると、一人暗がりの中に取り残される。