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第35章 ガラクタと歌姫と

　驚く美名に、志村は笑顔を向けた。

｢――サイコーのサイコーよ！
　プリキーのデビュー曲はこれに決定！｣
｢ほ、本当ですかっ？｣
｢マジか――！｣
｢やったーー！」

　志村は真理をハグして頬にキスを降らせ、最後の餌食になったのは由清だった。
　逃げようとする由清をむんずと掴まえると、頬を両手で挟み唇に濃厚なキスをしている。
　由清は必死に両手をバタバタさせた。

｢ふぐ――！むむ――！だ、だすげっ！ぶーっ｣

　当分、志村は離しそうにない。
　綾波は向こうで苦笑してその様子を見ている。
　美名が笑い掛けると、彼は頷いた。
　胸の奥が優しい痛みに震える。