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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
美名は綾波から目を逸らし、真理の方を振り返る。
「あ……あの」
「なんだよ?」
真理とは、あれから二人で話して居なかった。
仕事で顔を合わせている時にも特に話をする事もなくーー
というより、毎日のスケジュールが慌ただしく、そんな時間も余裕も無かった。
真理に、ちゃんと言わなくてはならない。
自分の気持ちを……
「えっと……私」
「……綾波の事か?」
「……」
真理は、ガラスの向こうの綾波を苦い表情で見る。
「あいつ……まだお前を好きだろ」
「そんな訳ないよ……」
「いや……俺にはわかる」
「だって……綾波さんはそんな事」
真理は、美名の頭をくしゃりと撫でて笑った。
「悔しいけど……
俺は綾波の代わりにはなれない」