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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
真理はよろめいて、由清が支えに行く。綾波はそれを振り払い真理の胸ぐらを掴んだ。
「何をした……美名に」
思わず美名の胸が跳び跳ねた。
(綾波さんが……怒ってる?
私が……泣かされたと思って……怒ってる?
何故……?)
真理は怯まず、綾波を真っ直ぐに見つめた。
「泣かせてるのはお前だろ!」
そう叫ぶと、直ぐ様膝で綾波の鳩尾を蹴る。
「くっ……」
綾波はバランスを崩すが口を歪め、真理の顔に強烈なパンチをかました。
「あ、綾波さん――!」
「綾波君!止めなさい!」
「真理!」
美名と志村が綾波を止めて、由清が真理を庇うように立ちはだかる。
真理は切れた唇を手で拭い、綾波に怒鳴った。
「そんなに気になるなら……離すんじゃねえバカヤロー!」