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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
美名は後部席で、ついチラリとミラーに映る綾波を見てしまう。
すると鏡の中で目が合ってしまい、ビクリとした。
「真理に何をされた」
「な、何もされてません」
「なら何故泣く!」
苛立った鋭い声に一瞬縮み上がるが、ふつふつと怒りが込み上げてきた。
「綾波さんには……関係ありません」
スカートをギュッと握り締めて俯く。
「関係ない事はない……俺はお前のマネージャーだ」
カアッと体が熱くなり、美名は大声を出した。
「マネージャー、マネージャーって……そればっかり!」
そのタイミングで、信号が赤になり停車する。
美名は後部席を開けて車から降り、走り出した。
「美名っ……何処へ行くんだ!」
綾波が叫んでいる。