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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
男は舌なめずりすると、下品な声で言った。
「悪いと思うなら、その体で払って貰おうか!?あん?」
「や……止めて下さい」
「ふん……ど――せ男とやりまくってるんだろうが!減りゃあしねえだろ……こっちへ来い!」
物凄い力で引っ張られて美名は悲鳴を上げた。
「いやっ……誰か……誰か!」
ヒュッと空を斬る音がした瞬間、男の顔に靴が直撃した。
「い……いて――っ」
絶叫して顔を押さえる男を呆然と見ていたら、後ろから羽交い締めにされる。
「何をぼうっとしている。逃げるぞ」
綾波が投げた靴を素早く履くと、美名の手を引いて走り出した。
「てめえ!待て!」
男の怒号が追い掛けてくる。