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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
「いらっしゃいませ……ご休憩ですか?お泊まりですか?」
不意に知らぬ声がして、驚いてしまう。
咄嗟に入った建物はホテルだった。
綾波は、美名の肩をグイと抱くと、フロントへ迷い無く歩いていき、キッパリと言った。
「……宿泊で」
「!」
フロントから鍵を受けとると、エレベーターに乗り込む。
綾波はスマホで誰かと話している。どうやら運転手の田仲らしい。
「……悪いが今日は帰っていてくれ。
明日迎えを頼む」
電話をする間も美名の肩を離さない。
思わず身を捩るが、スマホを仕舞う仕草をしてから、美名を抱き上げた。
「きゃあっ」
「その靴では歩けないだろう」
「……う……だ、だけど……恥ずかしいじゃないですか」
「俺とお前しか居ないからいいだろうが……」
お姫様抱っこされたまま、唇を奪われる。