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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と
何が起こったか分からずに、呆然とされるがままにしていたが、唇を離した綾波に苦しげな眼差しを向けられて、美名は涙をまた溢した。
「な……な……何で?」
「……わからんのか」
熱い唇が、再び唇を奪いに来て、息が止まりそうになる。
エレベーターから降りて、抱き上げた体勢のまま、綾波は部屋のドアを開けて自分の靴を脱ぎ捨て、ハイヒールを放り投げた。
真っ直ぐに大きな円いベッドへ向かい、美名を沈める。
ネクタイを外し、シャツのボタンを外していく綾波は、逃がすまいと器用に片手で美名の腕を纏めあげる。
「あ……綾波さ……止めて」
「無理だ」
「……!」
「お前が欲しい」
シャツを片手で脱ぎ捨てると、覆い被さって来た。