この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と

翌朝、美名は愛しい人の胸の中で目覚めた。
鋭いイメージの綾波だが寝顔は小さな男の子の様に無邪気で、微笑ましく思ってしまう。
一晩中、くたくたになるまで抱き合って……
いつの間にか疲れて眠ってしまった。
(幸せ……
好きな人の隣で目覚めるって、何故こんなにも幸せに感じるのかしら)
綺麗な目元がピクリと動いて、ゆっくりと開いて美名を見る。
「お、おおお早う……ございます」
「ふっ……何をテンパってる?
昨夜はあんなに大胆だったくせに」
「も、もう!それは言わないでよ――!」
綾波の胸を叩いた時に、盛大にお腹が鳴ってしまった。
恥ずかしくて真っ赤になると、頭をクシャクシャにされて笑われた。
「何も食わずに居たからな……近くの店のモーニングに行くか」
「う、うん」
美名は恥ずかしさを隠しきれず真っ赤なままで、脱がされて散らばった服をかき集めてバスルームへ駆け込んだ。
「俺が着せてやろうか?」
笑い混じりの声を聞きながら急いで着替えた。
鏡の中の自分の顔は、だらしなくにやけていた。

