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eyes to me~ 私を見て
第35章 ガラクタと歌姫と



 翌朝、美名は愛しい人の胸の中で目覚めた。
 鋭いイメージの綾波だが寝顔は小さな男の子の様に無邪気で、微笑ましく思ってしまう。
 一晩中、くたくたになるまで抱き合って……
 いつの間にか疲れて眠ってしまった。

(幸せ……
 好きな人の隣で目覚めるって、何故こんなにも幸せに感じるのかしら)

 綺麗な目元がピクリと動いて、ゆっくりと開いて美名を見る。

「お、おおお早う……ございます」
「ふっ……何をテンパってる?
 昨夜はあんなに大胆だったくせに」
「も、もう!それは言わないでよ――!」

 綾波の胸を叩いた時に、盛大にお腹が鳴ってしまった。
 恥ずかしくて真っ赤になると、頭をクシャクシャにされて笑われた。

「何も食わずに居たからな……近くの店のモーニングに行くか」
「う、うん」

 美名は恥ずかしさを隠しきれず真っ赤なままで、脱がされて散らばった服をかき集めてバスルームへ駆け込んだ。

「俺が着せてやろうか?」

 笑い混じりの声を聞きながら急いで着替えた。
 鏡の中の自分の顔は、だらしなくにやけていた。




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