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eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

大室に初めて翔大と引き合わされた時、聖恵は、
「何て寂しげな目をした人なんだろう」と思ったのだ。
一見優しげで物静かだが、演奏すると豹変して身体中でプレイする翔大に、聖恵はあっという間に恋してしまった。
大室は売り出すために手段を選ばない、という噂は聞いた事がある。
次から次へ策略を持ちかける大室に、聖恵は不安と不信を抱きながら、それでも翔大の側に居たいという気持ちから、逆らえずにいた。
大室と居る時の翔大と、こうして二人きりの時の翔大はあまりにも違う。
無理をして居るように思えて心配でもあった。
けれど、恋人でもない、ただ身体の関係があるに過ぎない自分がそんな踏み込んだ事を言えない……
自分を抱く事によって一時でも翔大が安らげるなら、それでいいと思っていた。

