この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第36章 silent wolfが牙を剥く

「……少し眠る?」
優しい声で囁いて、腕枕をしてくれる。
「うん……話ししながら……でもいいですか?」
聖恵は腕の中で翔大を見つめた。
「今日は……何の話がいい?」
翔大はいつも、眠るまで話を聞かせてくれる。
涼やかで低く心地よい囁きを聞きながら夢の中へと誘われる瞬間が何よりも幸せだった。
昼間、どんなに冷たくされても、駒の様に扱われても、乱暴に抱かれても、こうして腕の中で包んで優しく語りかけてくれる。
恋人になれなくてもいい。
こんなひとときを与えられるなら……
小さな頃の思い出話や、下らない事や、好きだった絵本の話や、junkの時に作った曲の話だとか、翔大は毎回してくれるのだ。
恋人同士みたいだ、と勘違いしてしまいそうになる位に優しく……

