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eyes to me~ 私を見て
第39章 騎士の仕掛けた罠
唇を離すと、聖恵はうっとりして翔大に身体を預けてきた。
「もし……サト君が……離れても……私はずっと側に居ます……」
「ありがとう……聖恵」
サラサラのショートボブを指でそっと撫でて、髪にキスをして囁いた。
パラリと風で頁が捲れてプリキーの記事が目に留まる。
あの時撮影した写真とは違うショットを見つけて、翔大の胸がざわめいた。
強く輝く力のある瞳の美名。
この間はこんな表情をしていなかった。
何かに迷い、打ちひしがれて切なく助けを求める様な瞳をしていた美名では無かった。
あの時は真理との交際に行き詰まり、綾波への思いに苦しんでいた筈だ。
弱った美名に手を差しのべてこの手に陥落させるつもりでいたが、美名は力を取り戻して輝いている。