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eyes to me~ 私を見て
第40章 桃子、舞踏会へ
『お城なんて大したものじゃないけど……
あ……スタッフのお姉さんが一緒に住んでるけど……丁度その日は彼女も出掛けて居ないのよ…… 』
「えっえええっ志村さんの彼女ですかっ?」
「桃子……声が大きい」
周辺の客が振りかえり、マイカが苦笑した。
『そんなんじゃないわよ……ただのスタッフ!
恋愛対象はイケメンの男なんだからね――!?フフフ』
「……舞踏会……めくるめくパーティ……お城……門限のないシンデレラ……つまり……パラダイス……」
桃子は瞳を夢見ごこちに輝かせ、うっとりと呟いた。
「桃子……大丈夫?」
マイカが心配して顔を覗き込むと、桃子はガッと手を掴んだ。
「志村さん!行きます!マイカちゃんと一緒に舞踏会へ行きます――!」
呆気に取られて口をポカンと開けるマイカをよそに、東京行きの段取りを桃子は志村と電話でドンドン決めてしまった。