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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

「……っ」
翔大は爽やかに笑う。
「綺麗だよ……美名」
黒の燕尾で決めた翔大が眩しくて見れず顔を逸らした時、綾波の低い声がすぐ側で聞こえた。
「何をしている……っ」
綾波が前に立ちはだかり、二人は睨むかの様に見つめ合う。
「挨拶しただけですよ……そんな怖い顔をしないで下さい」
「行き過ぎた挨拶だろうがっ」
胸ぐらを掴もうとする綾波の腕を、走ってきた聖恵が握った。
「ご、ごめんなさい綾波さん……!翔大さんを怒らないで……」
「聖恵……?」
「私がかわりに謝ります……」
必死な聖恵を見て、綾波は険しい顔を緩めて翔大から離れて溜め息を付いた。
「……お前を怒るわけにいかんだろうが……」
「だ、だって……」
「翔大。聖恵に免じてぶっ飛ばすのは止めておいてやるが……
今度美名に触れたら……」
「綾波さんっ」
聖恵が綾波の背中にしがみつくと、皆がおおっとどよめき、美名も凍り付く。

