この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

「ど……どうなってんの?」
由清が首を傾げる。
「さあ……何だかな?」
「志村さんと大室は、昔は親友同士だったのさ」
綾波は、襟首を掴む真理の手を払い、ネクタイを直した。
「え?そうなのか?」
真理と由清は目を丸くする。
「何かのきっかけで仲が悪くなったそうだが……こんな所でドンパチやる訳がないだろうが。あれは表向きのポーズさ」
「え、演技?」
「ま、そんな処だな」
「ひい――っこわっ」
堺がホテルのスタッフに声をかけられ時間に気づき、手を叩いた。
「皆さん!そろそろ中へお入りください!」
皆がわらわらと会場へと向かう中、美名はまだ綾波にしがみついていた。
「……そろそろ行くぞ」
「……やだ……」
美名は声を詰まらせる。

