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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

美名の手を引いてソファに座らせた。
綾波も隣に座り、手を握る。
「何か言いたいのか?」
「……知らない」
「ヤキモチ妬いてるのが、見え見えだぞ」
「――!違……」
振り返り、二人の瞳がぶつかった瞬間、綾波は美名を抱きすくめた。
優しく包む様な触れ方が、嬉しいと同時にじれったい。
(この場で、いつもの様に滅茶苦茶に愛して欲しい……)
美名の身体の奥がジワリと熱を持って、その熱は瞳に顕れていた。
綾波もそれは同じだったが、その思いを堪え、美名の美しく施された白色にダイヤを散りばめたようなネイルの手を、壊れ物を扱うように取ると恭しく口づける。
「本物の姫様だな……この世の物じゃない位に……綺麗だ」
「……剛さん……」

