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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

綾波が自分の乱れたシャツを直していると、バタバタ足音がして、三広達が現れた。
「お姉ちゃ――ん!」
ピンクのドレスの裾を翻し、桃子が駆け寄り抱きついた。
「桃子っ……元気そうね……すごく似合ってる……素敵よ」
「えへへ――」
「えへへ――」
三広までが一緒になって照れている。
「お前ら、二人して七五三だな……お似合いだ。千歳飴を持たせたら完璧だな」
「なあんですって――!このエセ西本祐樹――!何で今日は眼鏡してないのよっ!紛らわしいったら!」
「俺が眼鏡をしようが外そうが勝手だろ――が!」
「き――っ!顔が西くんなのに憎たらしいわね――!」
「も、桃子……剛さん、落ち着いて」
美名は、艶やかな振り袖姿のショートカットのマイカに気が付くと、首を傾げて見つめた。
綾波とギャンギャン言い合う桃子に代わり、三広が紹介する。
「この子はマイカちゃん。桃子ちゃんの学校の友達だよ」
「はじめまして!桃子から、いつもお姉さんの話は聞いてます!
ポキノン見ました!YouTubeも!ファンです!応援させてください――!」
「あ……ありがとう」
二人はがっちり握手をした。

