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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

ステージでは次から次へと、色んなミュージシャンがカラオケや一発芸を披露していた。
売れっ子のギター歌姫の"biwa"が、カラオケで演歌を披露して喝采を浴びている。
「うわあ……スゴい……ビワちゃんやっぱり上手……」
「あの――」
不意に声を掛けられて振り向くと、見知らぬ若い男性が立っていた。
見ると胸に
"アリーナ39℃"社
と書かれたプレートを付けている。
美名は思わず立ち上がった。
「あ、あの有名なアリーナ39℃のかた?」
"アリーナ39℃"は、pockin'on と並ぶ音楽雑誌なのだ。
「princes &junkyの美名さんですよね?はじめまして……私、こういう者です」
名刺を出されて、美名はペコリと頭を下げて受け取った。
「プリキーさんに、アリーナでも特集記事を組ませていただきたいと思っています」
「えっ!?本当ですか」
「今日はお会いできて良かったです……
また近い内に正式に連絡をさせていただきます」
「あ、ありがとうございます!よろしくお願いしますっ」
酔いなど吹っ飛び、美名は頭を下げた。

