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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

それからというもの、ひっきりなしに美名の処には挨拶をしに来る人間が後を立たず、大忙しだった。
ピッチャーの水を持って来た綾波は、その様子に気が付くとほほ笑む。
「成る程……見目麗しい新人の歌姫に皆、興味しんしんだな……」
見た処、怪しい人物は居ない様だが、表向きは仕事の話を持ち掛けながら、腹の底では隙あらば美名をどうこうしよう、等と企む不届きな輩が居ないとも限らない。
(……そんな事はさせない……誰にも触れさせるものか……)
綾波が人に囲まれる美名の元へ戻ろうとした時、不意に後ろからシャツの袖を引っ張られた。

