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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

振り返ると、そこに居るのは顔を青くした聖恵だった。
「どうした……」
「ご……ごめんなさい私……」
綾波は、グラリと倒れそうになる聖恵を抱き留める。
「頭が痛くて……」
会場の中の喧騒は凄まじく、聖恵の声が聞き取れずに唇に耳を寄せると、細い腕が首に絡み付いて来た。
綾波はニヤリとすると、聖恵を抱えて会場から抜け出した。
「さっき三広が休んでいた休憩室が……ここだな」
扉をぞんざいな仕草で足で開ける。
中にはソファと、ベッドが置いてあり、今の処は誰も来ては居なかった。
「大丈夫か?何か飲む物がいるか?」
ベッドに降ろすと、聖恵が潤んだ瞳で見つめてくる。

