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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

会場からは美名と翔大が歌う声が聞こえてくる。
綾波は頭を掻きむしった。
「さあ……どうする?綾波さんよ?写真をばらまかれたら困るだろ?」
「くっ……」
その時、不意に扉が開いて堺が顔を出した。
庄森と聖恵はビクリと身体を震わせる。
不穏な空気に、堺は一瞬目を見開いた。だがすぐいつもの癒しスマイルを浮かべる。
「皆さん、随分長く話し込まれてた様ですけど……そろそろ戻られては?またお料理も追加されますし」
一体いつから堺はそこに居たのだろうか。
話を聞かれたのだろうか?
と、庄森と聖恵は顔を青くした。
「綾波さん……ちょっと」
堺が手招きして、綾波は内心ほっとしながらその場を離れた。
チラリと二人を見たが、庄森も聖恵も不安げな表情をしている。
(ふん……ひょっとしたらハッタリかも分からん……
全部真に受けてビクつかない方が良さそうだが……
もう聖恵に美名を近付けてはダメだな)
綾波は二人を鋭く睨み付けて扉を閉めた。

