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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

美名は、笑顔で翔大を見つめ歌っている。
翔大もいとおしげな眼差しを美名に向けている。
(……あれは、狂う程の恋に堕ちた男の目だ。
庄森の言うように、奴は美名をなんとしても手に入れるつもりなのだろう)
「……お前に……渡すものか……」
綾波の震える拳を、堺がそっと握った。
「大室さんが、二人に一緒に歌うように煽ったんです」
「――何!?」
ステージの真正面のテーブルで、大室は満足げに二人を眺めながらワインを飲んで居る。
志村はその隣で笑顔でいるが、何を考えているのか読めない。

