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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

堺は、ポケットからメモを出すと、ペンで素早く何かを書いて綾波に見せた。
『さっきの会話、録音しました』
綾波が目を見開くと、堺は爽やかに笑って、またペンを走らせる。
『大室さんには、色んな疑惑があります。ご注意を』
「……」
綾波が息を呑む。
堺がまた何かを書いた。
『脅しに屈してはダメです』
「堺さん……」
「最後に勝つのは、策略家ではなく、素晴らしい音楽ですよ」
堺は綾波の肩をポンと叩く。
綾波が頷いた時、ちょうど二人が歌い終えたようだ。
ボンバーダイヤモンドのメンバー達がステージに上がり、二人を誉めそやしてワイワイやっている。
「終わったみたいですね」
「美名……」
美名は、翔大や髑髏川と談笑していたが、ふとこちらに気が付くと、二人にペコリとお辞儀をしてステージから駆け降り、ドレスの裾を持ち転びそうになりながら走ってくる。

