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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

綾波は立ち上がる。
「美名……」
「剛さん!」
「おっと!」
美名が腕を差し出した時、転ぶ寸前だったのを綾波が抱き留める。
堂々と抱き合う二人に、周囲は一瞬で目を奪われた。
志村が手で顔を覆って
「あちゃ――」
と思わず呟き、三広はまた鼻血を噴き、由清は口をポカンと開け、真理は手鞠寿司を喉に詰まらせむせた。
二人は二周ほどくるりと回ってしまい、その後も抱き合い見つめ合って居る。
シンデレラの様な歌姫と、すらりとした黒のタキシードの騎士のあまりにも絵になるその光景に、溜め息を付く者も居たが、中には眉をひそめる者もあった。
「何あれ……」
「マネージャーでしょ?いいの?」
「でも素敵……」

