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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で



「あっ……そういや、姫様見かけないっすねえ……さっきまで居たのに」

 綾波は、胸騒ぎを覚えて会場の外へ駆け出すが、ロビーにも、休憩室にも美名の姿はない。
 また会場へ戻り、帰り支度をしながら談笑する人々を掻き分けて探すが見当たらない。

「綾波さん、どうしました?」

 堺がやって来た。

「美名が……」
「え?」

 その時、堺の後ろを庄森と聖恵が通り、綾波は二人の前に立ちはだかった。

「おい……翔大は何処だ」

 綾波は、美名の姿も、翔大の姿も見えない事に焦っていた。

(目を離した隙に、まさか……)

「翔大ぁ?……さあな、先に帰ったんじゃねえの?」

 庄森が面倒そうに答える。
 隣の聖恵がさっと青くなったのを綾波は見逃さない。



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