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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
翔大は、美名に触れている内にまた火が付いてしまい、再び犯したのだ。
抵抗する力も気力も無い身体を抱く事に、心の中で虚しさを覚えたが、覚醒してしまった獣は果てるまで眠れない。
立ったまま抱かれてクタクタになった美名は、無抵抗のまま、今バスタブの中で翔大に抱きしめられている。
「大丈夫かい……美名」
翔大の長い指が、彼女の頬に張り付いた髪をそっとよけた。
「……」
美名は虚ろな目を瞬きさせただけだった。
翔大の胸の奥が鈍く痛む。
綾波から奪ってしまいたくて、恋情のまま連れ去ったが、どんなに抱きしめても、愛を囁いても、悲しい顔をされるだけだった。
――もう……あの頃の二人には、戻れないのか?
腕の中に包んでいても、たまらなく遠い。
翔大はキツく瞼を閉じて、美名をギュッと抱きしめた。