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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「しょう……君」
「……何?」
美名が僅かに微笑んで、見上げている。
それだけで心が踊る自分は何て滑稽で愚かなのだろうか。
美名が小さな声で言った。
「何か……着替え、ある?」
翔大は、聖恵の白いネグリジェが置いてある事を思い出した。
美名に着せてよいものかとも思ったが、裸のままではあんまりだろう。
「ベッドの下の引き出しに、白い部屋着があるよ……とりあえずそれを着て……
明日、何か買ってきてあげるから」
「分かった……」
「美名……俺は……ずっと別れた事を後悔してきた……
今なら……美名を幸せに出来ると思うんだ」
翔大は、そう言いながら、自分は現に今、美名を泣かせて苦しめて居るのに何を戯けた事を、と思った。
だが、言わずにいられない。