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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
綾波についさっき抱かれたばかりなのに、翔大に身体を抉じ開けられてしまった。
自分は本気で抵抗していたのか?
自問自答するが、よく分からない。
こんな風にされても、翔大の事を憎めない自分が歯痒くて、許せなかった。
『お前を抱くのは俺だけだ……』
綾波の声が頭の中で響いて美名を切なくさせる。
「ごめ……ごめんなさ……っ……剛さん……」
頭がガンガン痛み、喉がギュウと締め付けられて苦い血の味がすると同時にまた涙が溢れた。
「もう……剛さんの元に、戻れないよ……」
何かに取り憑かれた様に、浮遊する足取りで大きな窓に近付く。
鍵を開けて夜風の吹くベランダへ出た。