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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
白い手すりを掴み、景色を見おろす。
地上何階なのだろうか?
下の方の明りの漏れる窓を数えてみる。
「……飛び降りたら……どうなるのかな」
美名は、消えてしまいたい気持ちになっていた。
自分の身体さえ守れない自分が堪らなく嫌だった。
翔大の事を憎み切れない。
でも、愛する事も出来ない。
愛しているのは、ただひとりのひと……
「なのに、しょう君に……私は……」
涙を風が浚っていく。
美名は、目をつむり、手すりに足をかけた。