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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「うう……ゴメン……つい」
真理が泣きそうな顔をする。
「もうっ真理ったら!」
由清が顔をしかめた。
「気持ちは分かりますが、落ち着きましょう……」
堺が子供を相手にするように言った。
「運転手さん、申し訳ありません」
謝る綾波に、運転手は片手を上げて苦笑すると、ひと際豪華なマンションや住宅が並ぶ一角へと車を進入させた。
「この辺も高級ですけどねえ……」
「はあ――っ。こんなシャレオツでバカ高い所に住む人間ってどんな奴等だよ!ムカつくな~っ」
「真理……それは今関係ないって」
「まあ、世の中金持ちはより金持ちに、貧乏はより貧乏にとなる法則は確かにありますね」
「ぐうっ!堺さん……サラリと優しい顔で残酷な事を言わないでくれよ――!」
三人がワイワイ言い合う中で、綾波はふと何かを見つけて鋭い声を上げた。
「止めて下さい!」