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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「…………そ、そういう事なのね……何処の病院?……えっ?同じ病院じゃないの!今手術中なのね?ええ、ええ、私も今から行くわ!」
スマホを胸ポケットにしまった時、大室が目を醒ましていた様で、志村をギロリと見た。
「でかい声だな……他の患者に迷惑だぞ」
「あらまあ、お目覚めね?……あなたからそんな普通のコメントが出てくるとは珍しいわねえ」
「失礼な奴だな……俺にだって良心はあるぞ」
「ふう~ん?死にかけて気弱になったのかしら?"悪魔の大室"がねえ~」
大室は笑ったが、その目の中には何処か悲しげな色が沈んでいた。
「まあ……そうかも知れないな」
「……?」
志村が怪訝に大室を見た時、喚く様な高い声と共に病室の扉が開け放たれた。