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eyes to me~ 私を見て
第42章 愛欲の塔で
「え……!?」
「本当だ……まあ、信じろ、と言っても無理があるだろうけどな」
「……」
「まあ……彼の美名に対する執着を利用して……色々とやらせたのは俺だが」
大室は顔をしかめて胸を押さえる。
志村は枕元のナースコールを掴んだ。
「痛むの?看護婦さんを呼ぶわ」
「いや……待ってくれ……大丈夫だ」
「……でも」
「少し……昔の話をしないか……賢一」
大室の瞳には、いつもの険しさは無かった。
志村は頷き、パイプ椅子に腰かける。
「昔の話……て……雪乃の事ね?」
「ああ……」
大室は自分の手を照明にかざした。
「賢一……何故、俺は生きてるんだろうな……?雪乃が居ない……のに」
「哲哉……」