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eyes to me~ 私を見て
第43章 罪×罰
ライオン丸と呼ばれた男が頷くと、帽子の男は翔大の頬を殴った。
翔大は壁際まで飛ばされ本棚に当たり、雑誌や花瓶が落ちてくる。
「何なんだ……お前ら」
翔大は切れた唇を指で拭い二人を鋭く睨んだ。
「おっ!良い目をするじゃ~んお兄さん……
ところで、あんた、これ覚えてるかな?」
ライオン丸……健人は、掌を広げ小さな精密機械を翔大に見せた。
「それは……」
翔大の顔色が変わる。
「お兄さんが、あの子の部屋に付けろって頼んだ盗聴機だよね~?」
「何故それをお前が……まさか……お前、あの時の」
「やろうと思ったら、綾波の兄貴に見付かってさ……悪いね、俺は兄貴を気に入っちゃってさあ……あんたに言われた仕事はしてないのさ」
翔大は目を見開くが、やがて口を歪めて笑った。
「……もう、いいさそんな事……どうでもいい」