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eyes to me~ 私を見て
第43章 罪×罰
ライオン丸――健人は片眉を上げた。
「あんたがどーでも良くても、こっちはそうはいかないんだよ」
帽子の男に向かって顎をしゃくると、帽子の男は翔大の首をしめ上げる。
「……く……っ」
苦痛に顔を歪めているが、抵抗しない翔大の目の前にしゃがむと、ライオン丸は首を傾げた。
「あんたのせいで、兄貴が大変なんだぜ?どうしてくれんだよ?えっ?」
翔大は切れ切れの息で不敵な笑みを浮かべる。
「ふっ……綾波……がどうなろうと……知ったこと……か」
「――」
健人の顔から笑顔が消えた。
帽子の男が首をしめる力を更に強くする。
「お兄さん……このままじゃ窒息するよ?
兄貴に詫びを入れるなら助けてあげるからさ……」
「……せ」
「あ?」
「こ……ろすなら……殺せ……」
首をしめられながら、翔大は底光りのする瞳を健人に向けた。
「――っ」
健人と帽子の男が息を呑む。