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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「"ヒーローライダー"のうた!」
たいち、と言う男の子は母親にしがみつきながら、目に涙を溜めて、ハッキリと答えた。
「ヒーローライダーね!カッコいいよね~!お姉さんも歌が好きなんだ~!一緒に歌お?」
「本当~!?わーい!うたおう!うたおう!」
「真理君も!」
美名は手拍子を始めると、真理を振り返った。
「お、おう」
真理も手を叩き、美名に合わせて歌う。
たいちは、いつの間にか泣き止んで一緒に歌っていた。
周りの子供達や母親も美名の歌声に引き込まれ、皆笑顔になって手拍子をする。
通りかかりの人までが足を止めて、歌い終わる頃には人だかりが出来ていた。