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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
ワッと歓声が上がり、二人は大きな拍手に包まれた。
「お姉ちゃん、凄い――!」
「ありがと――!」
「お兄ちゃん、肩車やって――!」
「あの、握手してください!とっても良かったです!」
大人や子供、沢山の人達に次から次へと握手をせがまれて美名と真理は狼狽える。
「おい、美名……そろそろ戻らないと……ひえっ!」
真理は、ちびっこ達に腕にぶら下がられている。
美名は握手をしながら、よく通る声で人々に向けて言った。
「ありがとうございます!私達、音楽が大好きなんです……
私達と一緒に音楽を楽しんでくれてありがとうございました……!
何処かでまた、お会いしたら宜しくお願いします!」
二人は手を振りながら逃げる様にその場から走り出した。