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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「剛……さん……剛さ……っ……」
声は次第に弱々しくなり、最後にはしゃくり上げる苦しい息遣いだけが残る。
「……全く……俺はどこまでもお前に甘いな……」
真理は諦めた様にため息を吐くと、美名の頬を掌で挟み見つめた。
「本当に、一目見るだけだぞ……」
「ま……真理くん」
美名の目が涙に揺れながら輝いた。
「一目見たらすぐに帰って休むんだ!約束出来るか?」
美名は涙を流しながら何度も頷く。
真理は大きな手を頬から美名の頭へ移動させると、顔をくしゃくしゃにして笑った。
「さて……じゃ、カボチャの馬車で騎士(ナイト)の所へ連れてくぜ?お姫さんよ!」