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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「――!」
美名は口を押さえて見守る。
志村は、驚愕して固まる真理の腕を物凄い力で掴むと、ニッコリ笑った。
「うふふ~ん……なあにい?生意気に……私に夜這い~?うふふ……」
真理は怪力で志村に頭を掴まれ、思いきりディープキスをされる。
「――――!」
真理は涙目でされるがままにしていたが、空いた手で何とかクマの首からキーを取ると、美名に投げた。
美名は慌ててキャッチす。手の中でジャラリと音がした。
「……ごちそ……さま……うひふ……ふ……ぐ――」
志村は、真理から唇を離すとコテンとベッドへ倒れ、再び寝息を立て始めた。
「……ひっ……ひいっ……ゲホッ」
口を押さえて目を白黒させながら真理が逃げるように小走りしてきた。
「ま……真理くん……」
美名は慰めの言葉が見付からない。
「ひいっ……俺……男……とはファーストちっす……ぐえっ……
ま、まあ……とにかく……行くか……」
真理に手を引かれ、美名はマンションのドアを閉めた。