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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「真理君は優しくて楽しくて……
付き合ってた時、本当に面白かったな」
「面白……」
真理はハンドルを握り前を注視しながら、ショックを受けていた。
「今でも……真理君の事、好きだよ……けど……
剛さんは……全然違うの……」
「……」
真理は黙って聞いている。
「剛さんと居ると……幸せで……同時に苦しくて……泣きたくなったり……
色んな感情で一杯になるの……
好き、ていう言葉じゃ全然足りない位……なの」
美名は、話している内に感情が昂ってきたのか、唇を小さく震わせて、涙がポツリと手の甲に落ちた。
「……うん」
真理が左手を美名の右手にそっと重ねた。