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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜




 大好きなその唇が、返事をする事はない。
 美名が見つめると、熱い蕩ける様な眼差しを返してくれるその瞳も、開かれる事は無い。
 つまづいたり、よろけると直ぐ様支えてくれるそのしなかやな腕も……
 喉の奥が堪らなく痛み、視界がぼやける。
 辛い涙がポツリと、綾波の手の甲に落ちた。
 しゃがんでその手を握りしめ、頬擦りするのを真理はじっと見ていた。

「剛さん……明日は……いよいよデビューなの……」

 美名は、泣きながらも笑顔を向ける。

「志村さんが、デビューの記念に、て……オーダーメイドのギターをプレゼントしてくれたの……凄くかっこよくて、可愛いんだから……剛さんにも……見せたいな……」
「……」

 真理は、肩を震わせる美名の後ろに立った。



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