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eyes to me~ 私を見て
第44章 デビュー前夜
「私……剛さんに……とびきりの歌姫にしてやるって言われたけど……
何が"とびきり"なのか……教えて貰ってないよね……」
美名は、涙を拭った。
「私……明日……とびきりの歌をうたって見せるから……見てね?
早く……起きてくれないと……見逃しちゃうよ?」
美名は、クスリと笑うが、それは嗚咽に変わり、顔を両手で覆って下を向いてしまう。
「だか……ら……お願……早く……起きて……っ」
真理が、後ろから美名を支えて立たせた。
「……しっかりしろ、美名……
いつもみたいに……笑うんだ」
美名は首を振るが、真理の大きな掌が頬を挟み、綾波の方を向かせた。
「泣き顔じゃなくて……可愛い笑顔を綾波だって見たいだろうよ。
なあ?そうだろ?」
真理は綾波に語りかける。